プログラム内容program

前頭葉・実行機能プログラム

前頭葉・実行機能プログラム(Frontal/Executive Program:FEP)は、オーストラリアで開発されたセットを日本向けにアレンジしています。トレーナーであるセラピストと患者さんがマンツーマンで、1セッションあたり約1時間かけて、計44セッション行います。
紙と鉛筆を使った課題が中心ですが、手の運動や、トークン(積み木)を色・形・大きさ別に分けるなどの多様な課題が含まれており、統合失調症だけでなく、発達障害、学習障害、ADHD、健忘症、認知症、物質関連障害、気分障害、衝動制御障害、脳外傷、脳卒中、脳腫瘍、てんかんなど、認知の問題を抱えるさまざまな精神神経疾患や高次脳機能障害の方にぜひ取り組んでいただきたいプログラムです。

プログラムで使用するモジュール

認知的柔軟性モジュール

認知的柔軟性モジュールは、注意と認知の柔軟性を高めることを目標としたモジュールです。 課題は眼球運動、視覚、概念、巧緻運動の情報プロセスに仮説上必要な神経システムを働かせるために提示されており、セットの転換と維持の2つのプロセスの練習に焦点を当てています。前頭葉損傷は、制御と動機の障害の代表的な原因です。調節的なコントロールは、課題遂行の速さに関係があるので、特に運動とストループの課題において行動の連続性の均一さと持続時間の改善を目指します。

無限大記号線描
視覚

ワーキングメモリモジュール

ワーキングメモリモジュールは5つ(最大8つ)の情報セットを扱えるようになることが目標です。
課題は注意、順序、多重課題、ワーキングメモリ一に焦点を当てており、2つ以上の情報セットを同時に維持すること、情報セットを転換すること、保持した情報セットを操作すること、情報を遅延再生することが求められます。

多重視覚探索
配列の探索

計画モジュール

注意技能、情報の組織化、応用的推論、下位の目的形成、順序、ワーキングメモリ、モダリティ相互のあるいはモダリティ内の多重課題に関連するコントロールプロセスがターゲットになっています。
課題は方略形成や行動の自己順序付けに特に重きを置いており、目的志向的情報セット/図式の形成や操作の実践を促進するものがあります。
課題を遂行する時に、計画を立て、計画した方略で遂行されることが重要視されています。

重なり合う図形
多重課題